都は都

ヨーロッパで暮らすようになって、「暮らしやすさ」を意識するようになった。


日曜日のリールはなんとなく静かで、

ショッピングモールも飲食店も休業しているところが多い。


日本では、休日こそ稼ぎ時だろうに、

こっちでは、みんなが休息するため、人通りも少なくなる。


安息日の慣習が残っているのかな?


私の日本での日曜日の過ごしかたと言ったら、教会に行き、

友達とランチを食べて、ぶらぶらと街を歩いたり、買い物をして、

最後に家の近所のスーパーで買った食材で夜ごはんを作る。


こっちでは全く違う生活。


まだプロテスタントの教会も見つけてないし、

スーパーが閉まっているから、特に料理もしない、残り物で夕飯を済ませる。


今まで自分が馴染んでいた生活とは違うからこそ、住みにくいなと思うことも少々。


住めば都と言うけれど、やっぱり都は都、我が都こそ日本であると感じる。

さっそく和食が恋しい。

やっぱり日本人だなぁと自覚する瞬間がなんどもあった。


半年間でこの街を自分の都と思える日は来るのかなと、旅先からの汽車の中でぼんやり。


でも、最寄りの駅で下車して、ホームの階段を上がると、見慣れたビルボードや公園のモニュメントが見えてきて、なんとなく帰ってきたと安心した。


古い町並みには似合わないモダンでカラフルなマイホームを遠くに見ると、

きゅっと引き締めていた胸のあたりが、じんわりと緩むのがわかる。


思ったより居心地よく感じ始めている。


カメラが売ってなくて、

パン屋さんはたくさんあるけどコンビニはない

日曜日の夜ははケバブ屋さんくらいしか営業していない

娯楽と言ったらパブくらいしかない


東京と比べると不便が多いし、刺激が少ないけれど、


この街も、少しづつ自分の一部になってきているんだなと実感し始めた。


リールの空は今日もグレーで、風が強いです。






Cup of Grace

1杯の紅茶と溢れるほどの恵

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