お茶漬けが思い出させてくれるもの
成田空港を利用する時に必ず立ち寄るお茶漬け屋さんがあります。
第1ターミナル南ウィングのすぐ横にある小さなお茶漬け屋さんはわたしにとって「不安と向き合う場所」です。
ちょっとネガティブに聞こえちゃうかな?
2013年7月22日
当時15歳だった私はその日の朝8時に家族に別れを告げ、ひとりで成田空港に向かっていました。
すべては幼い頃からの憧れだったアメリカ留学のため。
正規交換留学ということで、一応政府からの支援を受けた留学だったので、なにかと規則が多かったです。
親との連絡は月2回まで。
パソコンの持ち込みは禁止。
恋愛禁止、、、??
小さい頃から習い事などで年上に混じって行動することが多かった私は、自分はしっかりしているって思っていたけど、
高校1年生ってやっぱり子供じゃない?
1年間家族と会えなくて、連絡も好きな時にできないって、本当に本当に寂しかった。
きっと今までの人生の中でも1番寂しかった。
正直、空港に着く直前までは不安なんてなかったのね。
大したことないけど事前研修では表彰されて、偶然だけど憧れのLAの郊外に派遣が決まって、長年の夢だったアメリカンハイスクールに飛び込めて、、、
わくわくしていたと同時に、自分は目の前に広がるキラキラしたその現実に値すると思った。なぜなら、あまりにもそれをナチュラルに感じることができたから。
でも
"I deserve it”って感じたわけじゃない。
“This is where I am meant to be”って納得できるような気がした。
変な話だよね。
そんな感じで、わりとポジティブなまま当日を迎えたのだけど、
心境が急変したのは、家を出る時に見送ってくれる大好きなおばあちゃまの涙を見た時。
そこから約1時間後には両親と兄弟にも別れを告げて、
最後まで笑顔で、「わくわくしながら夢を追いかける娘」を演じながら、ひとりで成田空港へ飛びました。
飛行機の中では、前日にクラスメートからもらったで紙や寄せ書きを読んで、もう涙がとまらなかった。笑
成田空港に着いてから、集合時間までひとりで潰さなくちゃいけなかった時間は約6時間。
携帯もパソコンも実家に置いてきた私は、気をそらすものがなく、なんども手紙を読み返したり、私のアメリカ留学のテーマソングであるマイリーサイラスのParty in the USAをなんども聞いて、時間が過ぎるのをただ待っていました。
そして、最後の食事をとるために入ったお店がそのお茶漬け屋さん。
確かその時にイヤフォンから流れていた曲はゆずの栄光の架け橋。笑
そんな不安や緊張と真正面から向き合わなくてはいけなかった1日の思い出ががそのお茶漬け屋さんには詰まっているのです!笑
あの時と同じだし茶漬けをオーダーして、同じ席に座る。
まるであの時の自分と現在の自分を重ね合わせるように。笑
そうするとやっぱりいろんな感情が甦ってきて、涙が出てきそうになります。(一応我慢はする笑)
大学での交換留学にアプライするかどうかを前日に悩んで、不安のあまり泣いたのはきっと
荒波のように押し寄せてくる、不安や緊張、孤独感が、夢を追いかけるわくわくと胸の高鳴りを飲み込んでいってしまう辛さを
まだ体が記憶しているからかもしれない。
Mだからわざわざ思い出しているわけじゃないの笑
ただ、定期的に思い出したい感情がそこにあるんだと思う。
思い出しただけで涙がでるような辛い過去なんだけど、忘れたいと思ったことはない。絶対に忘れたくないし、いろんな人に伝えたい誇りのある過去。
自分の強さや可能性をリマインドすることができる。
お店に座って、必ず昔の自分に語りかける。
大丈夫だよ
怖くて
寂しくて
辛くて
逃げ出したくて
ずっと泣いていたけど
そんな胸がズキっと痛む経験さえも愛おしい思い出になる!!
ひとりだったけど
自分が起こしたひとつひとつの行動で世界がどんどん広がった!!
一寸先は闇かもしれないと怯えながらも恐る恐る踏み出したステップの数だけ世界の広さを知った!笑
一生涯大切にしたい家族に出会えた。
人生の基盤となる信仰ができた。
「この人のためなら死んでもいい」と思える親友と出会えた。
世界を広げる方法を知ることができた。
いま、飛行機の中でこの記事を書いています。
帰国以来毎年カリフォルニアでお世話になった人たちに会いに3週間ほど渡米しています。
今回で3回目
こうやって何度も戻ってこれる場所があること、チャンスとサポートをあたえてくれる家族がいることに心から感謝します。
Seashelly
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2017.02.28 23:50